数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち (新潮文庫) サイモン・シン
『ザ・シンプソンズ』は1989年から続いているアメリカ史上最長の大人気アニメです。父のホーマー、妻のマージ、息子のバート、娘のリサとマギーの5人家族が繰り広げるはちゃめちゃなお話です。スプリングフィールドという架空の町(アメリカのどこにでもある町名だからこれに決まったとか聞いたことがありますが)に住む住人もクセのあるキャラクターだらけ。ブラックユーモア満載で、それでいてウルッとくるエピソードもあります。アメリカ版「天才バカボン」という感じでしょうか。
実はこの番組の脚本チームは数学系出身者がやたら多く、数々の数学ネタが盛り込まれている、という知る人ぞ知るわくわくのストーリーです。エピソードのふとしたセリフの中に、何気なく積んである本のタイトルにと、2度楽しめる要素があったなんて、この本を読むまで思いもしませんでした。
訳者である青木薫氏の文体が大変読みやすく、ちょっと難しい数学の話に文系の私でも理解できちゃうから不思議です。500ページ弱とボリュームも苦になりません。
読了後、どうしても「ザ・シンプソンズ」を最初から観たくなり調べてみたら、現在Foxチャンネルでしか放映されていないとのこと。ああ、残念。