本読も

何はともあれ、本を読もう

「言ってはいけない 」橘 玲

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親と同じ職業の道に進んで成功したりスポーツ選手として大成している人は多く存在します。「さすが〇〇さんのお嬢さんね。才能があるわ」「足が速いのはお父さんの遺伝だな!」と人は気軽に本人を目の前にして言うものです。そう、それは言っていいことだから。


マイナス面の遺伝であったら陰でコソコソ言うことはあっても、面と向かって本人に言ったりメディアに発表したりはできないもの。差別やいじめ、格差社会が問題になっている昨今、大きな声で言えないけれど気になっていたこの問題を、さまざまな文献や研究論文やデータとともに追及しているのがこの本です。


IQに関する話は大変興味深く読みました。人種によりIQの平均値が違うということが立証されても、これについて公の機関が対処をすればそれがさらに差別を助長することになり実は大変危険です。

 

IQが高い人種といえばユダヤ人。一般的に言われていることです。広い分野の成功者の中で圧倒的に割合の多いユダヤ人は、金貸しという職業しか選択できなかったためにどんどん数字に強くなり、それが遺伝され未だに平均より高いIQを保っていると言われています。


アメリカには、大学入試や就職で「黒人枠」が存在します。奴隷制度という歴史による不利益を被っているのが理由とのことです。アメリカの公共施設の職員は黒人が明らかに多いです。警察署、市役所、郵便局等どこに行っても一般の会社と比べると明らかに黒人の割合が高く、特別枠が小さいものでないことがわかります。


学校で優秀なのはアジア人というのがよく知られています。教育熱心な家庭が多いとはいえ、親が英語を母国語としない割合が高いはずの中国、台湾、香港、韓国、日本の生徒が成績上位を占めているのはなぜなのでしょうか。


社会経済や文化を発展させていくために、犯罪を減らし安全な国家を作っていくために、将来人間はどんどん細かく振り分けられていくのでしょうか。出生の段階でまず振り分けられ、数年後IQテストで振り分けられ、平均に劣る人間には人工的なプログラムが強制的に組まれ…。SF映画の世界が、近い将来現実に用意されているのかもしれません。